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zoom RSS 「ゆず先生は忘れない」 白矢三恵

<<   作成日時 : 2016/09/05 13:49   >>

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福島正美記念SF童話大賞を受賞された、白矢三恵さんの二冊目です。

「なあ、みんな。みんなが住んでいるここで、二十年前に大きな地震が起こり、ものすごい被害があったことは知ってるよな。先生はその日のことを、今でもはっきり覚えている。ぜったいに忘れたらいけない、と思っているんだ」

そう、二十年前。あの朝のことは私もはっきりと覚えています。ものすごい揺れ。停電。断水。刻々と増えていく死者の数。何度かけても、つながらない電話……。

西宮市の実家には、母と妹と、まだ赤ちゃんだった甥っ子がいました。夫が車で、被害を受けた道路や橋をいくつもわたり、(橋など落ちてしまう危険もありました)確かめに行ってくれなければ、しばらく無事もわからなかったことでしょう。実家近くの高速道路は、折れて地面につきささり、そこからの地割れが家の前まで走って、破裂した水道管から水が噴き出していました。現実とも思えず、悪い夢を見ているような、出来事でした。

あとがきを読むと、白矢さんも、おなじような体験をなさっています。そして、そんな中、助け合う人々の姿も目の当たりにされたといいます。
伝えなければ。風化させてはいけない。
その思いで、この本を書かれたことが私にはよくわかります。お話は、当時10歳だったゆず先生の体験と、それを聞く教室の4年生たちの心の動きが、かわるがわる描写されていきます。一方的に20年前が語られるのではなく、今の教室とリンクしているところが、子供たちの心に届きやすい構成になっています。

そして、この本の特徴は、本文には「神戸」「阪神」という言葉が出てこないところです。
関西弁も出てきません。被災地は「大池市」という架空の場所になっています。

きっと白矢さんは、「神戸」ではなく、「災害」そのものを、忘れてほしくないとお考えなのではないでしょうか。
あれから、東北で、熊本で、他にもいろんな場所で地震や災害が起こりました。
そのときに、なにが起きるか。どう行動すればよいのか。
白矢さんのこの作品は、どこか一か所ではなく、普遍的な災害の本質を伝えてくれています。
体験の少ない子供たちに、ぜひ読んでもらいたいです。

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