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zoom RSS ガラスの梨 ちいやんの戦争

<<   作成日時 : 2018/09/09 18:40   >>

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越水利江子氏、渾身の一作。
これを書くには、どれほど身を削ったかと思う。
戦争に巻き込まれると、人は正気ではなくなる。
そうならざるを得ない。そのことを逃げることなく書き切ったのが本作だ。


作者はところどころに、当時の軍歌を引用している。

♪行くぞ行かうぞ がんとやるぞ
 大和魂だてじゃない
 見たか知ったか底力
 こらえこらえた一億の
 堪忍袋の緒が切れた。

今読むと陳腐としか思えない歌詞なのだけれど、いったん戦争になると陳腐もなにもない。
誰もが大真面目で、こういう歌詞を歌わねばならなくなる。
どこの国とてそれは同じだ。

若者はわずかな骨となって返され、ご褒美に「誉の家」と書いた紙を玄関に貼らせて頂くことになる。
ペットの犬の肉を食料に、皮を防寒具に供出させることも、お国のためだ。
価値観が少しづつ少しづつ、ずらされていき、結果多くの人間が焼き殺された。

大坂空襲の場面は、ただただ圧巻だ。
児童書ではあるが、作者はその筆をゆるめていない。
皮膚にまとわりついて燃え上がる焼夷弾の油。
子どもであろうが、生きたまま、容赦なく燃やす。

人は愚かで、戦争は凄惨だ。
一方で作者は、同じ人間のたくましさをも描いている。
人に絶望するな。人を信ぜよ。そんなメッセージも受け取った気がした。
だからこそ価値観を、国家によってずらされてはいけない。


今読むべき物語。
辛くても、読むべき物語だと思う。
「誰よりも強くなる。誰とも戦わないために」
海上自衛隊のポスターに書かれたこの文言。
ほんとうですか? もう一度よく考えてみませんか?


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